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2025-06-17 14:04:00
音は形成する力(3)ー神殿伝説より
◉「響き」を重視して建てられた中世の教会
声や音の響きは、目に見えないが、もたらす影響は大きい。
中世の教会は、司祭の声の響きが、人々の心を振るわせ、共鳴させるような空間となるよう造られたという。
浄らかな響きが空間を充たすと、
アストラル体=感情が浄化されることを昔の人々は知っていたのだ。
教会、寺院の音響が良いのはそのためである。
以下、シュタイナーの言葉を講義録より引用。
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*「神殿伝説と黄金伝説」 高橋巖 訳 より
『霊学の観点から見たフリーメーソンの本質と課題』第三講
「フリーメーソンの中にあったこの霊的直感と再現能力は失われました。
語る言葉が特定の仕方で壁に反響する建物の中で話すのは、特別のことだ、という意識は失われました。
中世において大聖堂を建てたのは、偉大なフリーメーソンたちでした。
彼らは、司祭の話す言葉が正しいしかたで壁に反響して、会衆の全てが意味深い振動の海に漂うことが、
肉体の耳にとってよりもアストラル体にとって、より大きな意味がある、ということを自覚していました。」
この奏身舎も嬉しいことに「響きの空間」として多くの音楽家からお褒めの言葉を頂いている。
宗教音楽の合唱指導をされているM先生は、ザルツブルクの教会でのソリストとして活躍された方だが、この奏身舎は、ヨーロッパの古い教会のような響きがするそうだ。
「聖堂の音楽空間は、合唱や音楽演奏を聴かせれば聴かせるほど、ますます良い響きの空間に変わっていくんですよ」と、M先生。
今後、この奏身舎での響きがどのように変わっていくか楽しみである。
そして、響きの芸術、オイリュトミーを通して、一人でも多くの方が元気に幸せになってもらえたら嬉しい!
「音には マナス と名付けられるものの名が呼応している。
音を知覚しながら人は、世界の叡智を聞いている。
人間は聞き、語るとき、直接叡智の中で自己を表現する。」
シュタイナー
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◉男子中学生との「笛」の思い出
毎月、玉川村の児童養護施設「森の風学園」で、芸術療法(音楽指導やオイリュトミー)をやらせていただいている。
こんなエピソードがある。
新しく学園にやってきた男子中学生S君は、全く音楽には馴染みがなかった。
初めてリコーダーを教えた時も、持ち方すら知らず、笛は吹いたことがない、という。
「土下座してでも、いやだ!」と強い口調で拒否。
ところが翌日、施設長の先生から「笛、吹いてますよ。」との電話をもらった。
さらに、奏身舎に「これ、やりたいんだ」と、楽譜持参でやってきたのだ!
それは卒業式定番の曲「旅立ちの日」だった。
彼のリクエストに応えて、オイリュトミーの時間に数小節ずつ練習することにした。
楽譜を読めない彼のために、私が笛を吹いては、彼がメロディーを真似する。
この繰り返しを、ずっと続け・・・
そして・・・3月の奏身舎でのオイリュトミー発表会では、
大勢のお客様が見守る中、つっかえながらだが、最後まで彼は演奏できたのだった!
思わず熱いものが込み上げて涙が出てしまった・・・・。
人の視線を浴びるのが大の苦手だった彼は、響きの魔法に助けられて、やり抜いたのだと思う。(場面緘黙症と言われていた)
彼とのオイリュトミーの時間、
そして発表会でのリコーダー演奏は、今も私にとって大切な思い出となっている。
美しい響きは空間を変える。
そして私たちの心をも振るわせ、共鳴させる魔法の力が働いているのだ。
*・゜゚・*:.。..。.:*・🌟お知らせ🌟・*:.。. .。.:*・゜゚・*
奏身舎では
〈ことのはなプロジェクト〉第2弾として
2025年6月29日に
公演「あめつちをみたす いのちのうた」を開催します。
あらゆるものに浸透する「音の響き」を
オイリュトミーや箏、歌、タムタム、グロッケン、笛
さまざまな響きで体験していただけたらと思います。
今回特別に
親子向けプログラムもご用意しました。
(限定20組まで)
笛と箏、鈴のアンサンブル、
珍しい二十五絃の箏に触れ、奏でることもできますよ!
問合/申込:
〈奏身舎〉 ✳︎ nasu.sousinsya@gmail.com
〈ことのはなプロジェクト〉✳︎ info@koto-no-hana.net
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🌟告知動画を作成しましたので、ぜひご覧下さい。
▼〈ことのはな告知動画〉
https://youtu.be/YbRiWEOA9fM
▼〈ことのはなプロジェクト〉本当の自分を生きるとは?
▼親子向けプログラム
「響きあう音と命」12時〜
http://koto-no-hana.net/info/6278901
▼本公演「あめつちをみたす いのちのうた」14時〜
http://koto-no-hana.net/info/6278885