那須 ・ 奏身舎

オイリュトミーホール 那須 ・ 奏身舎(そうしんしゃ)へようこそ

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2024-11-04 09:34:00

音と色は、世界を開く扉

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   オイリュトミー講師/渋谷智栄子  と  水彩講師/吉澤明子

窓辺で語り合う私たち二人。これまでも、メルヘンや神話のコラボ講座を開いてきました。

なぜ、私たちが一緒に活動しているのか? 

 

これも運命的な「出会い」があったから、としか言いようがありません。

 

◉引っ越ししたらご近所だった

大先輩である吉澤明子さんは、言わずと知れた、シュタイナーの水彩教育の草分け的存在。

1999年頃に那須に移住され、

私は7年後、2006年東京から那須に移住し、3年目の2009年に那須・奏身舎を建てたのですが、

そこは、何と偶然、吉澤さんの家のご近所でした!

 (いえ、これも偶然ではなく、必然だったのでしょう)

 

 

◉芸術は感覚を統合し、内側から癒す

オイリュトミーと水彩を教える私たち二人は、ハンディある人たちとの芸術指導にも長らく携わってきました。

芸術といっても、単に上手に描いたり、人より美しく動いたりするのが目的ではなく、

・「教育は治療である」シュタイナー

・「自我を目覚めさせ、感覚を統合する」 ミヒャエラ・グレックラー

 

これらの方の言葉にあるように、 人を内側から癒す教育芸術なのです。そこには優劣はありません。

また、音と色、素材は異なっても、オイリュトミーで見せる動きと水彩で描く絵には、大きな関連性があります。

聴覚と視覚、聞くことと見ること・・

これらは補い合って、互いの感覚をより育むものなのかもしれません。

 

 

◉ハンディある子どもとの運命的な出会い

 

それは私たちにとって、運命としか言いようのない出会いでした。

 

私の場合、オイリュトミー講師として独り立ちし、最初に出会ったのが ハンディを持つ子どもたちでした。

通常のやり方では、上手くいかず、

目の前にいる子どもたちに、とにかく伝わるものをと、必死に考え編み出し、生まれた指導、授業法。

現場で生まれた指導法は、シュタイナーの治療教育講義やシュタイナー教育に関する文献を読み、照らし合わせると、

改めて「この方針で良いのだ!」と裏付けを得たのでした。

 

また、「ことば」とは何か?ということも、

ハンディを持つ人たちとの出会いによって、大きな気づきを得ました。

 

 

◉教育芸術講座として発展

この当時の授業体験が、

後のオイリュトミー指導の土台となり、また、発音体感をベースとした手遊びや、歌、運動遊びは、

「教育芸術講座」として発展してゆき、各地で保育士、教師、発達支援教育・・子どもに関わる多くの方が受講されました。

 

 ・イシスの会「教育オイリュトミー指導者養成講座」 東京2016年〜2019年

 

 ・ソフィア教育芸術研究会  東京 2019年〜2021年

      〃        那須 2022年〜2023年

 

 ・シュタイナー教育芸術アクティビティ指導者養成講座 みんなのシュタイナー主催

               東京 2022〜2024年

 

✳︎2025年からスタートする、おひさまの丘宮城シュタイナー学園「教員養成講座」のコースリーダーとして、

渋谷は、オイリュトミーはじめ、教育芸術の理論と実践を教授させていただくこととなりました。

 

▼教員養成講座についてのFB記事はこちらを

https://www.facebook.com/ohisamanooka.steiner/posts/pfbid0jtpiQCccywtUjYuUrb34xj7YHpBRKubErzuYvTAGmMLEYjRqnJesr1ZWhZX7HZm7l

 

詳細については近日中にUPする予定です。

 

 

〈那須シュタイナー自然学校〉での講師として

 

那須地域に住む私たちは、25年ほど前からシュタイナー教育を元にした週末クラスで子どもたちに教えています。

2年前から〈那須シュタイナー自然学校〉という月1の子どもクラスを、共同体として父母と一緒に運営し、

通常の授業だけではなく、夏、冬のイベントや、

2024年10月から初のオンライン読書勉強会も開催し、日本はもとより海外からも参加されたのでした。

那須シュタイナー自然学校 FB記事はこちら

https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid02FpAz34deT9TAVQpL7wGQc7RNBkmvcy38Rpde2y6N1wErhx5rAprRVBvHDzYshFKTl&id=61550586299338

 

▼りんごロウソクのクリスマス ご案内

http://sousinsya.com/info/5956338 

 

◉不登校の小中学生34万人、過去最多!

 

ある日、新聞を開くと「不登校の小中学生340,000人、過去最多!」

の見出しが踊っていました。

続いて 「重大いじめ」初の1000件超え 23年度、文科省調査とのキャプションが!

 

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※記事より抜粋:

文部科学省は31日、2023年度に全国の小中学校で30日以上欠席した不登校の児童生徒は11年連続で増加し、全体の3.7%にあたる346,482人で最多を更新したとの調査結果を発表した。22年度から47,434(15.9%)増えた。 小中高などが認知したいじめは732,568件で、前年度比7.4 %増。うち身体的被害や長期欠席等が生じた「重大事態」は、1306件で、初めて千件を超えた。

 

 

その翌日のこと、私たち二人は奏身舎でミーティングしました。

 

これも、予め予定していたのではなく、クラスの日にちをうっかり間違えてやってきた吉澤さんに

せっかくだから、お話ししませんかとお誘いしたのでした。☺️

 

 

◉二人の会話より

〜〜〜〜〜〜

C:昨日の新聞では、不登校の小中学生が340,000人で、過去最多なんですって。

「重大いじめ」初の1000件超えだというし。

学校に行くことに不安を感じる子がますます増えてる。

学校だけではなく、大人や社会に対して信頼を失っている子が多いような気がします

 

A:今の世の中を見ると、自然も人間も壊れかかっていますね。暴風雨や年々酷くなる夏の異常な暑さなど、環境破壊による気候変動も、目を覆いたくなるほどになってるしね。

 

C:国家間の紛争も21世紀になっても、どうして終わらないのかな?

第2次世界大戦で、原爆の恐ろしさがわかったはずなのに、より一層残酷な方向に行ってるような気がします。

 

A:核兵器を筆頭に、大量破壊兵器がどんどん作られている。

湯水のように税金を使って・・

 

C:アタマだけの冷たい知性だけで考えると、どんな残酷なこともできてしまうのかもしれませんね。

 

A:そうね、アタマだけ使っていると、現実の生活から乖離し、命ある方向ではなく、

破滅的な方に突っ走ってしまうんじゃないかな。

 

C:シュタイナーも頭だけ使っていると動物的になってしまうと言っていましたね。

 

A:そうそう、

心を動かさないと、人間は人間らしく生きられないですね。

 

C:本当に!

だからこそ、芸術が必要なんですね!!

 

A:心と体を動かす芸術体験は、人間に生きた叡智と生命力を与えてくれますね。

それは、床間の飾りのようなものではなく、根源的なもののはず。

 

C:優劣は全く関係なく、

どんな人にも、美を感じるセンサーがあるからね。

「真善美」を感じるセンサー。

そこが機能すれば、自ずと調和を求めたくなりますよね。

 

A:まず、人間とはどんな存在か?を知らないといけない。
シュタイナーの3分説による人間観〈体・魂・霊〉は本当に大事ですねー。

 

C:本当にそうですね!

美しいものの体験は、魂を内側から動かしますね。

感覚という根っこを通して、美の体験が、生きる糧の養分となり、

魂(心)と結びつくことで、

高貴な精神の世界にも羽ばたける。

 

 

A & C:芸術の素晴らしさ、大切さを、こんな時代だからもっと多くの人に伝えたいですね!

 

 

◉音と色は世界を開く扉

 

音と色の体験は、世界を開く扉であり、自分と出会うための「根源」。

 その源では、あらゆる命、植物、動物、鉱物、もちろん人間も繋がっており、人類共通の財産といえます。

だから、音と色の体験は、大きな〈カシコイ コトバ〉を知ることとも言えるのです。

 ヘレン・ケラーが「水」という言葉の体験を通して、世界と出会い、知性が目覚めたように。

その〈カシコイ コトバ〉を、シュタイナー教育ではオイリュトミーや水彩、フォルメンで体験し、学びます。

この学びは、繰り返し体験することで血肉となり、人を変容させる生きた叡智の力となるのです。

きっと、どんな状況に置かれても、自分で真っ直ぐ立ち、希望を失わずに生きてゆくエネルギーをそこから汲み出せることでしょう。

 

 

◉危機の時代にこそ必要な、芸術の癒し

 

危機の時代だからこそ、芸術による真の癒し、本当の人間観に裏付けられた教育芸術が必要です。 

だからこそ、

これまでを振り返って、芸術の授業を通して起こった、数々の奇跡や、心震える感動の場面、

そして今、起こっている変容のドラマを、言葉でも書き記し、広く世の中に伝えてゆきたいと切実に思いました。

 

ということで、シュタイナー教育の柱でもある「オイリュトミー」と「水彩」二つの視点から

 

・これまで出会った子ども達との奇跡の場面

・聞くこと、見ることの相互作用

・芸術の持つ大きな可能性

・オイリュトミーと水彩の基本

・「教育は治療である」の背景
 

これらシュタイナーの教育芸術の素晴らしさについて、言語化してまとめ、これから世の中に広く伝えていきたいと思います!

2024-10-13 10:15:00

🍎「りんごロウソク」 ❄️「冬至合宿」での奇跡の出会い

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◉「まだ間に合いますか?」・・ある母親からの電話

 

3年前、あるお母さんからこんなお問合せをいただきました。

「うちの息子は高校生です。りんごロウソクに参加したいのですが、今からでも、間に合いますか?」

 

その親子は母子家庭で、母は、息子に豊かな体験をさせてあげられなかった、

今からでも、まだ間に合うなら、ほんものを体験させてあげたいのだと、私におっしゃるのです。

 

そして親子向け「りんごロウソクのクリスマス会」(ウィンタースクール)に宿泊付きで申し込まれ、さらに、

大人向けの「冬至合宿」にも親子で参加されたのでした!

何と熱心な方だろう、と驚きながらも、そのお母さんの気持ちが、痛いほどこちらにまで伝わってきたのでした。

 

 

◉二つのイベントでの出会い

 

ウィンタースクールでは、幼い子向けのりんごロウソクだけではなく、その生徒のために、

高学年向けのグラスハープ体験も用意し、男子高校生は小学生たちをリードし、

ミニコンサートで美しい音のハーモニーを率先して奏でてくれたのでした。

 

また、冬至合宿では、大人たちに混じって参加し

ピアノでの音楽オイリュトミー体験がとても気に入ったようでした。

休み時間には、「薪割り」体験にもチャレンジ、

最初へっぴりごしだった彼も、次第に上手になり、

 

たまたま、参加者に、若い高校の先生がおり、

現役高校生の彼を、先生らしく励ましながら、傍で見守ってくれました!

周囲の大人たちも、あたたかな声援を送り続け、見事、高校生は斧で薪を割ることが出来ました!

 

二人は赤の他人ですが、

熱血漢の先生が、生徒を熱く励ます、

まるで青春ドラマの一コマのような場面が、実際起こっていました。

 

見ている私たちも胸が熱くなるような光景が、今でも脳裏に焼き付いています。

 

◉3年後届いた嬉しい知らせ

 

それから3年たち、嬉しい知らせが届きました。

彼は、一浪を経て、希望する大学に合格したのです。

 

見事、不登校を乗り越え、数学と音楽を愛する青年に成長していました。

しかも、母子家庭の子に数学を教えるボランティアもしているとのこと!

 

かつての自分のような生徒たちを、今度は導く側に成長していたのでした!

 

 

◉りんごロウソクと冬至合宿を機に、変容した少年

 

後日、彼のお母さんは、私の教育芸術講座を受講され、そこで聞いた話です。

 

りんごロウソクに申し込んだその当時は、

高校生の息子さんは、不登校気味で、ゲーム漬けの毎日を送っていたそうです。

 

何とか、ゲーム漬けの生活から抜け出してほしい、本物に出会ってほしい、と母は願い続け、

ネットで辿り着いたのが「りんごロウソク」だったとか。

 

高校生が変わることができたのは、

「りんごロウソク」と、「冬至合宿」のおかげだと、その方からとても感謝されました。

 

「あれ以来、息子は変わったんです。

まず、やりたいもの、好きなものが見つかり、

それが「数学」と「音楽」でした。

あのとき、奏身舎で体験させてもらって、本当に良かったです!」

 

アドヴェント〜冬至の頃の出会いが、彼を大きく変えたと母親は語りました。

 

 

◉人は出会いによって変わる

 

「アドヴェント」とはイエスの生誕、新しい光の誕生を待ち望むこと。

「冬至」とは、一年の転換点です。

闇から光へ

冬から春へ

りんごロウソクの渦巻きが物語るように、

内から外への切り替わりの時期。

その頃に出会った高校生が、それを機に、大きく変わることができた。

彼の中に、新しい光が灯ったのでしょうか。

 

もちろん、彼自身も心の中で「本当の自分に出会いたい、変わりたい!」と願っていたのでしょう。

 

出会いとは不思議なもの。

 

このエピソードが物語るものは、

求めていれば、本当の出会いに必ず出会えること。

 

そして、出会いは、遅すぎるということはない。

出会ったタイミングが、その子にとって一番ベストなタイミングなのだと思います。

 

今年もりんごロウソク、冬至合宿で、どんな出会いがあるのでしょうか。

 

皆様のご参加、お待ちしております。

 

 

 

 

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2024年度冬の催し 

🍎りんごロウソクのクリスマス ご案内🎄12/14~15

http://sousinsya.com/info/5956338

 

❄️冬至合宿 ご案内.  12/21~22

宇宙の冬新たなる夜明け

http://sousinsya.com/info/5948079

2024-07-02 15:08:00

「競争と苦手意識」の問題ーシュタイナー教育の観点から

◉苦手意識はどこから?
 
「私は絵が苦手だから、描けないし、描きたくない」
「僕は笛が苦手だから、吹きたくない」
 
こう言って、強く拒絶する子どもたちに出会うことがあります。
 
苦手意識はどこから生じたのでしょう?
最近出会った子は、まだ一年生くらいでした。
 
子どもの心は、最初は、新雪が降り積む丘のように、真っ白で、
偏見も、思い込みもない、いろんな可能性に満ちている魔法の領域のはず。
 
そこに「苦手」「できない」という意識が、早くも刻まれてしまうのは、
とっても残念なこと・・・
もったいないことだと思うのです。
 
美しい色や音を味わうことは、本来子どもにとって喜びそのもののはずなのに・・・
 
優劣や比較の問題が入ると、子どもは
素直に楽しむことができなくなってしまい、トライすることが臆病になってしまいます。
これでは、せっかくの可能性を十分活かすことができません。

◉競争は、子どものやる気を高めるか?
 
先日、体験会で出会った、あるお母さんの言葉が印象に残っています。
 
「うちの子は、一番になれるものしか、やろうとしないんです。
少しでも、負けそうになるとわかると、最初からやらないんです。」
 
「人より優れている」と感じられる時のみ、安心して自分が肯定でき、
そうではない時には、不安に駆られてトライできず、尻込みしてしまう。
 
不安を避けるため、負けたくないため、自信のないものは、
「最初からやろうとしない」のだという。
 
そういえば、その子が通う幼稚園では、跳び箱を何段まで跳べた、
縄跳びを何回までできた、と、優劣を競わせる雰囲気があったといいます。
 
これは「競争すること」で子どものやる気を高めるという考えです。
 
競争させ、負けたら悔しいから頑張る、みじめな想いをしたくないから努力する、という気持ちを植え付けるという考えです。
 
 
大人になれば、ある程度「自分」ができているので、
ハードな競争にも耐えられるかもしれません。
思春期くらいになると、実際、高校受験などで、初めての関門を子どもたちは通過せざるを得ません。
 
でも、幼児期、小学生の時期はまだ「自分自身」ができていないので、
競争で「比べられること」によって、子どもの心はすごく傷つくのです。
 
大人が競争を奨励していると、勝った子が偉くて、負けた子はダメな子、
優位に立つためには、相手を蹴落とさなければならない、という思い込みを
幼い心に植え付けてしまうことがあります。
 
できる子はうぬぼれて、他の子たちを支配するようになることもあります。
 
人と比べ、
できたら良い子として認められ、「すごいね!」と褒められる。
できないと「〇〇君のようにもっと頑張らないといけないよ」とハッパをかけられる。
 
トライしても、うまくいかないと、自分も「ダメだ!」と否定されたように感じてしまいます。
幼い頃に、勝つか、負けるかで人の価値が決まってしまうことを体験すると、
マイナスの感情や、反社会的な感情の原因になると思うのです。
 
 
でもシュタイナー教育の世界に、それはありません。
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◉「自分軸」を育てる
  ー人と比べない、競わなくて良い教育
 
人と比べたり、
みんながこうしてるから、同じようにしなければならない、というのではなく、
子どもたちの 心の内側から、自分自身が
「やってみたい!」「美しいな!」「本当だな!」と感じる
「自分軸」が育つことを大切にしているからです。
 
「自分軸」のことを、シュタイナーの世界では「自我」とも呼んでいます。
 
子どもの幼い自我は、
自ら主体的に 動く、作る、奏でる、描くことを通してキラキラ輝き、成長します。
 
自我は、外側からではなく、内側から成長するのです。
 
私たち大人も、自分らしく
内面から輝けるように 成長してゆきたいですね!
体の成長は止まってしまいましたが、心や精神は、まだまだ成長途上です!
 


🌻親子サマースクール8/3(土)~4(日)サマースクール  (8)裏面.jpg

▼🌻親子サマースクールお知らせ8/3(土)~4(日)

http://sousinsya.com/info/5785894

 

 

▼FB記事 那須シュタイナー自然学校

【大人である私たちが、美しいもの、真を体験することの大切さ】

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2024.11.24 Sunday