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2024-07-02 15:08:00

「競争と苦手意識」の問題ーシュタイナー教育の観点から

◉苦手意識はどこから?
 
「私は絵が苦手だから、描けないし、描きたくない」
「僕は笛が苦手だから、吹きたくない」
 
こう言って、強く拒絶する子どもたちに出会うことがあります。
 
苦手意識はどこから生じたのでしょう?
最近出会った子は、まだ一年生くらいでした。
 
子どもの心は、最初は、新雪が降り積む丘のように、真っ白で、
偏見も、思い込みもない、いろんな可能性に満ちている魔法の領域のはず。
 
そこに「苦手」「できない」という意識が、早くも刻まれてしまうのは、
とっても残念なこと・・・
もったいないことだと思うのです。
 
美しい色や音を味わうことは、本来子どもにとって喜びそのもののはずなのに・・・
 
優劣や比較の問題が入ると、子どもは
素直に楽しむことができなくなってしまい、トライすることが臆病になってしまいます。
これでは、せっかくの可能性を十分活かすことができません。

◉競争は、子どものやる気を高めるか?
 
先日、体験会で出会った、あるお母さんの言葉が印象に残っています。
 
「うちの子は、一番になれるものしか、やろうとしないんです。
少しでも、負けそうになるとわかると、最初からやらないんです。」
 
「人より優れている」と感じられる時のみ、安心して自分が肯定でき、
そうではない時には、不安に駆られてトライできず、尻込みしてしまう。
 
不安を避けるため、負けたくないため、自信のないものは、
「最初からやろうとしない」のだという。
 
そういえば、その子が通う幼稚園では、跳び箱を何段まで跳べた、
縄跳びを何回までできた、と、優劣を競わせる雰囲気があったといいます。
 
これは「競争すること」で子どものやる気を高めるという考えです。
 
競争させ、負けたら悔しいから頑張る、みじめな想いをしたくないから努力する、という気持ちを植え付けるという考えです。
 
 
大人になれば、ある程度「自分」ができているので、
ハードな競争にも耐えられるかもしれません。
思春期くらいになると、実際、高校受験などで、初めての関門を子どもたちは通過せざるを得ません。
 
でも、幼児期、小学生の時期はまだ「自分自身」ができていないので、
競争で「比べられること」によって、子どもの心はすごく傷つくのです。
 
大人が競争を奨励していると、勝った子が偉くて、負けた子はダメな子、
優位に立つためには、相手を蹴落とさなければならない、という思い込みを
幼い心に植え付けてしまうことがあります。
 
できる子はうぬぼれて、他の子たちを支配するようになることもあります。
 
人と比べ、
できたら良い子として認められ、「すごいね!」と褒められる。
できないと「〇〇君のようにもっと頑張らないといけないよ」とハッパをかけられる。
 
トライしても、うまくいかないと、自分も「ダメだ!」と否定されたように感じてしまいます。
幼い頃に、勝つか、負けるかで人の価値が決まってしまうことを体験すると、
マイナスの感情や、反社会的な感情の原因になると思うのです。
 
 
でもシュタイナー教育の世界に、それはありません。
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◉「自分軸」を育てる
  ー人と比べない、競わなくて良い教育
 
人と比べたり、
みんながこうしてるから、同じようにしなければならない、というのではなく、
子どもたちの 心の内側から、自分自身が
「やってみたい!」「美しいな!」「本当だな!」と感じる
「自分軸」が育つことを大切にしているからです。
 
「自分軸」のことを、シュタイナーの世界では「自我」とも呼んでいます。
 
子どもの幼い自我は、
自ら主体的に 動く、作る、奏でる、描くことを通してキラキラ輝き、成長します。
 
自我は、外側からではなく、内側から成長するのです。
 
私たち大人も、自分らしく
内面から輝けるように 成長してゆきたいですね!
体の成長は止まってしまいましたが、心や精神は、まだまだ成長途上です!
 


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