那須 ・ 奏身舎

オイリュトミーホール 那須 ・ 奏身舎(そうしんしゃ)へようこそ

ブログ

2025-06-10 09:19:00

魂のこよみ10週「太陽の輝きが夏空の高みへ昇り、 個人的な感情を彼方へ連れ去る」

🌳森の小径を歩き、那須ガーデンアウトレットへちょっとお散歩 🎶
この森の奥に、人工的なアウトレットの大駐車場があるなんて想像できますか?
奏身舎からテクテク歩いて5分ほど。(意外と近くて便利です!)
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🌤日差しはかなり暑いですが、森の中はひんやりとした空気がとても爽やかです。
🐦小鳥の囀りが木々の上から聞こえてくる中、あれやこれやを思索しつつ、歩くと・・
不思議ですが、椅子に座り、机に向かっている時とは全然違う発想が湧いてきたり、
ふっと新しいイメージや言葉が浮かんできたりするのです。
🌳だから森のお散歩がすごーく好き。
ゲーテも、よく部屋の中を歩きながら口述筆記をしたそうです。
体を動かしたり、声を出したりすることで、頭だけで考えるよりも、
新たな回路が開かれるのかもしれませんね。
*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
シュタイナー「魂の暦10週」 高橋巖訳
・・・

太陽の輝きが

夏空の高みへ昇り

私の個人的な感情を

果てしない空間の彼方へ連れ去る。

私の心の内部には予感が目覚める。

そして暗い感情が私に語りかける。

 

「神的存在が今、

私のことを感じ取ってくれたと、いつか必ず

知るときがくるであろう」

神的存在とは、
天使のことでしょうか?
天使にもいろんなヒエラルキアがあって
個人担当は、守護天使。(直属の上司のようなもの)
民族や言語担当は、大天使なのだとか。(上の管轄の部長さん?)
「魂の扉・十二感覚」において、ズスマンはこう語ります。
・・・・
「私たちには言語を作り出すことはできません。
私たちを貫いて言語を生み出しているのは、宇宙的な存在、大天使なのです」
「大天使たちは、私たちの言語霊であり民族霊なのです。」
シュタイナーはこのように語ります。
・・・・
「人間は眠りにつくと、言葉の余韻を大天使のもとにもたらします。
それを大天使は吸い込むのです。だからこそ、大天使は民族の言語の指導者なのです。
ところが人間が言葉とともに眠りの中に理想的なものをもたらさないと
たちまち大天使が吸い込むものが不足することになります。」
まぁ!大天使が栄養失調になるっていうことでしょうか⁉️
・・・・
言語の中で理想主義を発達させなくなると、
人間は、夜毎に大天使とのつながりを逃してしまうことになります」
「そうなると、人間が霊界と親密に結びつくことができなくなります。」
言語に理想の言葉を含まなくなることで、
夜毎、大天使と出会えなくなり、自分自身の真の力へ到達することができなくなると言うのです!
・・・・
これは大変!!
やっぱり大天使と毎晩出会って、元気な力をたくさんいただきたいものですね!
そして頂いたエネルギーを、
今度は、芸術体験やオイリュトミーを通して、
たくさんの子どもたちや、ハンディある人、必要としている方たちに、
たっぷりと差し上げたいものです!
         
「大天使ミカエル」

 

ミカエルは今の時代を導く時代霊でもあります。
劔を持ち、厳しい眼差しのミカエルは、地上の世界にいる人間に対して
何も言わず、人間が自らの意志で何かを成し遂げた時には、
同意の眼差しをおくってくれるとか。

 

この困難な時代を、

自分の中の弱さと悪に目を背けずに、勇気を出して生きていけるように、

どうか、大天使よ、見守っていてください。

🌟奏身舎では、子どもから大人、ハンディある方まで教えています。

レッスン形態も、グループ、個人、さまざまに対応しています。

 

 🌟「根源のコトバ」は、万物を創造する見えない力。

オイリュトミーは、形成する音・響きの力を動く身体運動芸術です。

🌟6/29に 〈天地をみたす音の世界〉をテーマに公演と体験会を開催します!

詳しくはこちらを

 

▼あめつちをみたす いのちのうた〜地水火風の旅

http://sousinsya.com/info/6266829

 

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▼響きあう音といのち 親子向けプログラム

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2025-03-04 14:47:00

魂のこよみ48週「この光線の力を結集して人の心の中に愛を目覚めさせよう」

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奏身舎のオイリュトミークラスでは、
バッハ「ピアノコンチェルト」とシュタイナー「瞑想の言葉」を組み合わせて練習しています。
練習している作品はこちらです。

▼24年12月 那須・奏身舎にての冬至合宿練習動画

https://youtu.be/w5-wl-gID7s

 

✨光
バッハの曲にはどこか光のようなものが感じられます。
背骨をまっすぐ伸ばして歩くときのような・・不思議な明るい光の力が、、、。
20世紀の偉人と呼ばれたシュバイツァーは、アフリカに医師として医療伝道に赴く前は、バッハ研究家で、かつ著名なオルガニストでした。
シュバイツァーは、30歳の時にオルガン奏者のキャリアを捨て、医師を志したのですが、アフリカの地でも暑さに耐えうるピアノを運び入れ、バッハを弾くことで、偉大な仕事を成すための光と熱を得たのです。
太陽の光、電球の光・・・があると、ものの姿形がはっきり見えます
けれど光がなく闇に覆われると、見えなくなってしまいます
思考も、実は光のような働きがあり、
思考すると、いろんな物事がはっきり見えて来ます。
思考が働かず、感情のみ働くと、自分の主観のバイアスが入って正しく見えなかったり、混乱したりすることがあります。
もちろん、素晴らしい感情の働きもありますが、ネガティブな感情は、不安や恐れの影響を受けやすいです。
思考の光があると、ネガティブな感情にもあっさり負けません!
そして、本来私たちの中にもある、真、善、美がもっと確かに感じられることでしょう。
48週は、その思考の力を光線のように集めて、愛を目覚めさせようという言葉です。
思考によって感情を導くんですね。
 
シュタイナー「魂のこよみ48」
高橋巖 訳
宇宙の高みから力強く
魂の中に流れ込む光、
その光の中には 魂の謎を解く
宇宙思考の確かさがある。
この光線の力を結集して
人の心の中にを目覚めさせよう
✨響きで感じる光
子どもたちのオイリュトミーでも、✨光を母音のイーのまっすぐな響きとともに体感します。幼い頃からオイリュトミーに親しんでいる子どもたちは、ごく自然に、私たちの思考の光をまっすぐな姿勢とともに、体験することができます。
 
9歳までの子どものオイリュトミー 
母音IAO

 

I        頭は光の中に
イーの響きとともに背骨をまっすぐ伸ばして
光の方に伸びて行きます
 
      足は大地の上
アーの響きでどっしりと大地のあたたかさと
重さを感じて足を開きます
         手は仲良しお友だち
オーの響きで腕を胸の前で包み込むように
まあるく囲みます
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こちらは、子どものオイリュトミーのための、自作の歌です。
ペンタトニックなので、柔らかく、障害児や成人障害者も、歌いながら喜んでオイリュトミーをしています。
 
 小さな子どものための 
母音 I A O (歌)
I        ♪光よ光、きれいな光 
A       大地の中で根っこをはって
O             大きなお空に
A      花が開いた♪
みんなの大好きな花♪
*・゜゚・*:.。..。.:*・'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
 
 

【オイリュトミー体験受付中♪】

那須・奏身舎の オイリュトミークラス 

・大人クラス(入門者から経験者まで) 

・こどもクラス(幼児親子/小・中学生)

 ・ハンディのある方のクラス(個別可) 歓迎いたします。

 出張レッスンも相談可。 

 

▼水曜クラス 月2回 第2・4水曜 13時〜15時

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▼日曜クラス 月1回  

基礎:10時〜12時  応用:13時〜15時

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 日時:月1回 月曜日 

基礎: 9時半~11時半   応用 :  12時半~14時        

会場:    宇都宮市 河内地区市民センター (宇都宮線岡本駅付近)  お問合 :  hibari_no_kai@yahoo.co.jp  

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・小中学生クラス 

〈親子で学ぶ〉 那須シュタイナー自然学校

    / waldorf_nature_school  

 

・幼児親子クラス

 

 

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2025-02-18 20:58:00

魂のこよみ46週「世間が生来の魂の力を麻痺させる・・・だから思い出よ、光輝け」

◉雪ふる日に、幾何学図形の練習
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ここ数日は、冬将軍が再び到来し、白い羽のような雪が降り積もった。
外は寒いが、奏身舎オイリュトミー発表会に向けて、
ホールでの生徒さんたちの練習にも、一層熱が入ってきた。
発表会プログラムの中に、五芒星フォルムでの五母音の詩がある。
  I     生きることは
  A   あたたかな
  O   こころで
  U    美しいものに
  E  出会うこと 
この母音の詩を「エーテル体の骨格」と言われる五芒星形で練習し、発表するのだ。
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エーテル体の骨格
◉幾何学図形を練習する理由
この詩は、ある5年男子のために私が作ったオリジナルテキストで、冒頭の母音が I A O U E となっている。
5年生ともなれば、単に楽しい、とか面白い、というだけでは不十分だ。
意欲が心の底から湧いてこない。
そこに、大きな世界に対する畏敬や、理性の働きがしっかりと感じられることが大切なのだ。
当時の5年男子は、驚くほどの熱意で、この言葉を大きな声に出して発声し、オイリュトミーで動いたのだった!
彼の顔は、輝いていた!

自分の身体を使って、背骨で五芒星を空間上に描くのは、紙の上に描くのと違ってそう容易くない。
難しいのに敢えてやるのは、なぜだろう?
それは、
自分を観る「もう一人の自分」を育てるため



離見の見・・・「もう一人のわたし」を育てる

それを世阿弥は「離見の見」と云った。
日常的なわたしとは異なる「もう一人のわたし」
高いところから見ている私なので、「高次の」自我ともいう。
その「ほんとうのわたし」が、「ちっぽけなわたし」を導いてくれる

そのような存在を
シュタイナーは[Das Ich]、と呼び、
日本語では
「自我」「ほんとうの自分」「ほんとうのわたし」と訳されている。
     母音のオイリュトミー・フィギュアー
◉世間が生来の魂の力を麻痺させる
46週の魂のこよみ」ではこう語る。
世間が生来の魂の力を麻痺させる
家事や、仕事など、子育て・・・いろんな場面で成さなければならぬ諸々のことが、
わたしの魂をいつの間にか消耗させ、ぐったりと疲れさせてしまう。
魂はあたかも麻痺してしまったかのように力が出なくなってしまう・・・。
だから、そんな時こそ、
本来の自分、ほんとうの自分がなんであるかを、思い起こそう!
だから思い出よ、霊の深みから光り輝け
このくだりを読むと、わたしはいつも白雪姫を思い出す。
◉「白雪姫」とは?
グリムのメルヘン「白雪姫」では、
死んでしまった白雪姫がガラスの棺に納められたあと、
七人の小人たちが、輝く金の文字で棺に書き記すのだ。
「お姫さま」と。
死んで動かなくなった白雪姫は、相変わらず雪のように白く、血のように赤く、黒檀のように黒い・・
白雪姫は、実は、王の娘ー高貴な身分でー
聖なる世界に由来する存在であること。
本来は光り輝く存在であることを
決して忘れないように!  小人たちは棺に金の文字で刻んだのだった。「お姫さま」と。
そして意志の力によって支えられた
「観る」行為を強めよ。



ほんとうのわたし「自我」は
内なる世界も、外なる世界もしっかり観ることができるよ!
自我「ほんとうのわたし」は、内なる感情世界と外なる客観世界「二つの世界」の架け橋なのだから。

*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
 🌟シュタイナー 魂のこよみ46週   高橋巖 訳 イザラ書房

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*・゜゚・*:.。..。.:*・''・*:.。. .。.:*・゜゚・*
▼オイリュトミークラスやレッスンへのお問合、ご質問はこちらまで
 nasu.sousinsya@gmail.com  奏身舎/渋谷智栄子

▼ 奏身舎website
🌟現在、那須・奏身舎以外に、東京、宇都宮、福島、仙台でも定期的に教えています。
出張講座もできますので、お声がけください。

🌟プレ講座でも「白雪姫」をやります。
▼教員養成講座プレ講座について

第4期おひさまの丘宮城シュタイナー学園教員養成講座のお知らせ

https://www.ohisamanooka-steiner.or.jp/post/第4回おひさまの丘宮城シュタイナー学園教員養成講座のお知らせ

2025-02-05 09:10:00

魂のこよみ44週「新たな感覚の刺激を受け明るく澄んだ魂は・・」

👹節分から立春へ

節を分ける、と書くように、節分は季節の始まりの日の前日です。

季節は冬から春へと移ろい、厳しい寒さの中にも春の光を感じます。

 

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Rebirth / 木彫:渋谷智栄子

 

◉「明るく澄んだ魂」は

   「誕生」を想い出す

✨光の質が変わり、私たちの感覚も春めいた新たな刺激を外から受けとると、内なる魂はより明るく澄んでくるようです。

そうした時に、ふと思い起こすのです。

かつての「誕生」を。

 

なんのために生まれ、いま、生きているのか?

この世での任務、自分に与えられたミッションがなんだったのか、

いま一度、振り返ろうとします。

 

⭐️肉体の誕生は、この地球で母の胎内から生まれ出た時。

肉体という衣をまといます。

 

🌟霊の誕生は、肉体の衣を脱ぎ捨て、光の衣をまとう時。

すなわち、「死」を迎え、天へと旅立つとき。

 

それは人生の総決算でもあり、私たちが生きている間、抱いた様々な思い、思考内容が

死の瞬間に全て解放され、新たな「生」に向けて、蝶のように飛び立つといいます。

 

🦋片山敏彦は「霊の蝶は飛び立つ」という詩で、その瞬間を美しく表現しています。

 

霊の蝶は飛び立つ。

神の光の中へ

天體は

明るい顔をしている。

永遠の今

美は、神からの

なぐさめ

 

片山敏彦「遺稿集」より

 

 

かつて「オールソウルズディ」という催しを2015年、2019年、2020年、

那須と仙台で開催しました。

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オールソウルズデイ仙台2/22 では、片山敏彦「霊の蝶は飛び立つ・・」を、私がオイリュトミーで動き、ブラームスの「インテルメッツォ」に繋げました。

 

 

◉見えない世界を

    頭・心・体で動く

✨オイリュトミーには、こうした目に見えない世界を、生身の体で動くことで、

絵空事ではなく、現実にあるものとして実感したり、心でイメージ化することを助けてくれる役割があります。

3次元空間で動く、というのは、心身にリアルな実感をもたらしてくれます。(バーチャルな世界とは真逆ですね)

 

しかも、『思考・意志・感情』ー人間の魂の力すべてを使うので、自分を支える中心の力が、活性化されるんですね。3点セットで用いることで、

 頭でっかちになったり、

 意志が暴走したり、

 感情に耽溺したりせず、

一つのことに偏らず、バランス良く、大きな調和がもたらされることもオイリュトミーの持つ大きな特徴と言えるでしょう。

 

 

◉「混沌とした宇宙生成」をカタチにする

       「思考の創造意志」

🌀さて、混沌とした宇宙生成(無限の可能性を秘めた生命の源)の営みに

形(概念)を与えるのは、「思考の働き」

分別という言葉があるように、分ける力のことです。

 

一人一人の「私」が、

「これまでにない、何かを創りたい!」

「善きものを生み出したい!」と願う「意志の力」を、

無意識レベルから意識にまで高めるときに、

この明るい初春の光は、思考の光とリンクするのでしょうか。

盲目的な意志は、思考によって、明確な目標となるカタチが与えられ

人生を導くものになるのでしょうか?

 

そうあってほしいと切に願います❣️ 

 

 

以下の「魂の暦」44週は、イザラ版とちくま文庫の高橋巌先生の訳を、

オイリュトミーをするのに私が一部分変えたものです。

 

💎シュタイナー「魂の暦」 44週  

 

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オールソウルズデイ仙台 /神聖なものとして「死」を体験する

https://ameblo.jp/eurytmie-sousinsya/entry-12577250980.html

 

【オールソウルズデイ那須】「こちらの世界」から「あちらの世界」へ

https://ameblo.jp/eurytmie-sousinsya/entry-12528046379.html

 

2025-01-27 20:02:00

魂のこよみ43週〈魂の火力が強まる〉

〈魂のこよみ・43週〉は、厳しい冬の最中に読むと、とても力強く響いてきます。

読むと、いつも心に「熱」「火」の力を絶やさぬようにしたい・・と思うのです。

それがリアルに感じられるのも、冬の寒さにおいてこそ!

思い起こせば20年前、初めてオイリュトミーソロ公演「闇から光」を東京と那須で開いた時、〈魂のこよみ・43週〉の言葉をオイリュトミーで動いたのでした。

そこから何か新しい衝動を、20年前の私は受け取ったのでしょうか。

その翌年、東京から那須へと移住したのでした。 

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雪の奏身舎

 

 

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銀世界の木立

 

 

●魂は働くことで輝く!

 厳冬期に〈魂のこよみ 〉43週を読むと、スロバキア民話「12つきのおくりもの」を思い起こします。

 

【あらすじ】

主人公のマルーシカは継子。いつも母さんや姉から辛くあたられる。 

姉のホレーナは、一日中怠けて遊んでばかりいるのに、マルーシカは、朝から晩まで働かなければならない。

水を汲んだり、お掃除をしたり、お料理をしたり、薪を割ったり・・・休み暇もないほど。

けれど、マルーシカは少しも嫌がらず、一生懸命に働けば働くほど、どんどん美しくなってゆく・・・・。

継母たちは美しいマルーシカを憎み、寒い冬の森でスミレを摘んでくるようにと命じた。

泣きながら雪に埋もれた深い森にはいっていくと、大きなたき火を囲んだ12の月の精に出会い、12月の精たちが杖をふるうと、冬は春に、夏に、秋に…。季節がみるみるうちに変容するのです。


そして働き者のマルーシカは最後に幸せをつかみます! 

しかし、怠け者のホレーナは、冬の森に閉じ込められたまま・・・

・・・大自然の恩寵と畏怖を伝えるスロバキア民話。

 

43週では「心の働きを通して実在の確かさを与える」とありますが

私たちはこの世で働くことで、意志を通して世界に具体的に関わることができます。

 

地上の厳しい現実世界において、一生懸命に労働し、私たちの魂は鍛えられ、より輝かせることができるのです。

魂の本来の輝きが現れることをメルヘンでは、「美しい」と表現しています。

 

 

●内面が現れること=「美しいこと」

メルヘンの中では「真善美」はセットのようです。✨

「美だけ」しかない、というのは、むしろ「悪」に近いのかもしれませんね。

例えば白雪姫の継母は、綺麗ですが、高慢で妬み深いキャラクターです。

 

「世界で一番美しいのは誰?」と鏡に尋ね、「白雪姫は千倍きれい!」と答えが返ってくると怒り狂い、物売りに化けて毒を使って姫を殺そうと企む、・・・

そんな、継母のお妃は美しいのは上部だけで、魂は醜かったのでしょう。

 

働けば働くほど、美しく、光り輝く・・・それは、地上の現実としっかり格闘することで、その人の本質が磨かれ、ますます自分らしくなってゆくから。

 

隠れていた内面が外に現れ出て、光り輝くことで、人は一層美しく見えるのではないでしょうか!

逆に、その人の本質が見えなくなると、それは「醜い=見にくい」のです。

 

自分らしさが外に出せるように、自分の本質=自我が輝くように・・そうありたいですね!

子どもの教育においても、その子らしさが否定されてしまうと、自我が育ちません。

なので、気質による違いをシュタイナー教育では、とても大切にします。

 

●魂の火力が強まる

 

奏身舎では、暖房に薪ストーブを使っています。

リモコンで温度調整できるエアコンと違い、暖をとるのも、働かなければならない。

薪割り、小枝集め。そして火を絶やさぬためには、一生懸命に、薪をくべなければならないので手間はかかります。

でも、本物の火のあたたかさは格別で、心も体も芯からあたためてくれるのです。

そう、みんなの喜ぶ顔を思い浮かべると、多少の手間がかかっても

薪ストーブ生活はやめられないですね!

 

シュタイナーの、とある本で、意志を持続するために「自らを薪にして燃やさなければ・・・」という表現があったのですが、

魂の熱がないとネガティブな気分=虚無の冷たさに負けてしまいます。

何かやろうという気持ちが起きず、

一歩も進めなくなってしまいます

 

こんなことして、何の意味があるの?

どうせ、無理に決まってる。

大多数に逆らうのは無駄骨・・・。

 

でも、そこに、魂の熱があれば・・・

熱は周りに伝わり、少しずつ現実が変わってゆくかもしれません。

 

そう、熱は変化を可能にする力。

奇跡を起こさせる力といっても良い。

その魂の火力を強める冬の恵みを、43週は語っています。

 

真冬の凍てつく寒さの中で、私たちの精神ははっきりと目覚め、

心を動かし、生き生きと働かせることを通して、

私も、宇宙も、今ここに存在している実感が湧いてくる。

 

私たちの魂の中でも 自らを薪にして魂の焔を熱く燃やし続けることで

虚無の冷たさに打ち勝つことができるのです。

 

 

 

魂のこよみ43週 高橋巖 訳

 

深い冬の中で

霊の真存在が目覚める。

それは心の働きを通して

宇宙の現象に 実在の確かさを与える。

人間の内部では魂の火力が強まり、

宇宙の冷気と戦う。

 

 

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