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音は形成する力(1)ー響きとクラドニー図形
◉音の波とクラドニー図形
こちらの写真は、2023年度、吉澤明子さんとのコラボ講座【創造の秘密】で
音エーテルの働きを、実験した時のもの。
音の振動によって、
小さな粒子の模様が変わってゆくのを、目で確かめることができるのだ。
その図形が「クラドニー図形」だ。
音の響きが物質に働きかけ、秩序ある美しい模様を形成することを示す実験。
「クラドニー図形」
しかし、音の響きが働きかけるのは、目にみえる物質にだけではない。
見えない心に対しても、音は形作る働きを持つ。
◉音の形成する力は
心にも影響を及ぼす
楽器好きな私は、オイリュトミーの授業やイベントなどで、
いろんな楽器を使って、演奏したり、子どもたちに教えたりしている。
材質やフォルムによって、音の響きも微妙に異なってくる。
こちらはさまざまな材質の「笛」。
木の笛ー竹や梨の木でできた笛
土の笛ーオカリナや鳩笛
笛は、息を吹き込むことで、音が出る楽器だ。
自分の息が、音になり、内なる世界から外なる世界へと、広がってゆく・・。
言葉にすると、あまりにも当たり前のように感じるが、
実は、この体験は、子どもにとってすごいことなのだ!
笛を吹けるようになってから、驚くほど大きな変化を見せた子がいる。
ある自閉スペクトラム症の子は、それまで「吹く」ことが全然できなかった。
だが、奏身舎でのイベントに親子で参加し、
ミニコンサートで、私たちが笛を吹くのを目で見て、耳で聴いて、
(きっと楽しくて自分でもやってみたくなったのだろう)
その翌日に、玄関ホールに飾ってあった鳩笛を、わざわざ私の前に持ってきて
HO-HO HO-HO と
息を吹き込み、音を出したのだった!
その直後、その子は、私と目線が合うようになり、
歌いながら、ボールを投げ合ったりすることもできるようになった。
(以前は、受け取ることはできても、自分から投げることができなかったのだ)
きっと目に見えない心も、音によって
クラドニー図形のように美しく形作られるのだと思う。
Aちゃんが初めて吹いた「鳩笛」
手で触ると、丸みがありあたたかな感触。
この鳩笛体験がきっかけになって、
新しい感覚世界が開けたのだ。
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🌟お知らせ
〈ことのはなプロジェクト〉第2弾
公演「あめつちをみたす いのちのうた」を開催!
会場:奏身舎
日時:6月29日
箏・オイリュトミー・映像のコラボ作品としての
『さすらいのハヤサスラ』に加え、
音と声の響きのワークショップも開催いたします。
(今回、響きの楽器、タムタムも用い、即興演奏&歌にもチャレンジ!)
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🌟告知動画を作成しましたのでぜひ、ご覧下さい。
▼〈ことのはな告知動画〉
▼親子向けプログラム
「響きあう音と命」12時〜
http://koto-no-hana.net/info/6278901
http://sousinsya.com/info/6266837
FBイベント欄
▼本公演「あめつちをみたす いのちのうた」14時〜
http://koto-no-hana.net/info/6278885
http://sousinsya.com/info/6266829
FBイベント欄
オイリュトミー誕生の背景〜創造は「出会い」から
⭐️シュタイナーはいつも「出逢い」をとおして、新たなことを創造していったという。
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◉シュタイナー学校の始まりーエミール・モルト
「ヴァルドルフ学校」は、煙草工場を経営していた、エミール・モルトとの出会いから。
モルトがシュタイナーの教育理念に共鳴し、工場の一角に労働者の子どものための学校を設立したのがはじまりだった。ヴァルドルフ・アストリア煙草工場の名前を冠して「ヴァルドルフ学校」と呼ばれるようになった。
日本では、シュタイナー学校、シュタイナー教育という名で知られ、知識偏重の受験教育とは異なり、芸術的な教育を中心に据えている。
◉バイオダイナミック農法ーカイザーリンク伯爵
シュタイナーは亡くなる前年1924年、疲弊した農地を回復させるため、カイザーリンク伯爵に依頼され、伯爵の農場があるドイツのコーバーヴィッツで8回にわたる「農業講座」の講演を行い、それが元になり、世界各国に広がり、今もなお継承されている。
出典:イザラ書房「農業講座」より
◉オイリュトミー誕生ーある未亡人からの相談
オイリュトミーが生まれたのは、ある婦人が、娘のために仕事となる舞踊芸術はないだろうか、とシュタイナーに相談したことがきっかけだった。
17歳のローリー・シュミッツと、シュタイナー、夫人のマリー・シュタイナー三人による共同作業を通して、新しい運動芸術「オイリュトミー」が誕生したという。
シュタイナーは「オイリュトミーの本質と起源」において、このように語っている。
出典:「イリュトミー芸術」訳:高橋巖 イザラ書房
オイリュトミーは、もともと人智学運動の中から運命の贈り物のように育ってきました。
1912年の事でした。あと、人智学者の家庭の中で、
父親を失った娘さんが仕事を見つけようとしましたが、
彼女はどうしても人智学運動の中から仕事を探したかったのです。
そこで彼女のために何ができるか、いろいろ考えているうちに、
当時まだ存在していなかった一種の空間運動芸術が誕生することになったのです。
このようにして、最初のオイリュトミーが、もちろん最初はその原則とフォルムだけでしたが、この若い夫人のことを考えている間に芽生えてきたのです。
このオイリュトミーもまた他の人智学運動と軌を一にしています。
つまり、最初に運命的な転機が生じ、それから私がゲーテアネムの柱のフォルムについて体験したような状態を迎えることになります。
・・省略・・
p24~
人間の限定された衝動だけに従って遂行するのではなく、
自分を宇宙の道具のためにすることができれば、
初めに意図していたよりも、はるかに多くのことが、事柄そのものから芽生え、発展するようになります 。
p25〜
芸術はいつでも、人間の心が何らかの衝動を霊界から受け取ることができ、この衝動をいろいろな外的な素材によって具現化する必要を感じたときに生まれたのです。
p32〜
目に見える言語、目に見える歌唱こそが、まさにオイリュトミーそのものなのです。
◉運命的な出会いからメタモルフォーゼ
まず、最初に運命的な出会いが生じ、それがメタモルフォーゼしてなされていく、とシュタイナーはいうのだ。
だから、過去のものをただ踏襲し繰り返すのではなく、
出逢いをもたらす大いなる力を信頼し、自分を「霊界=宇宙の道具」としての「器」にした時に、初めてその都度、いろんなインスピレーションがもたらされ、具体化されていったのだろう。
初めから完璧な完成したものがあったのではない。
何もないところから、創り上げてゆく・・この姿勢は「芸術家」そのものだと思う。
◉未知のものからの投げかけを受け止める
おそらく最初は、混沌から始まったのではないだろうか。
現実的な問題や山積みされた課題の中で、出会う人の切実な投げかけや必死の問いかけを受け止め、そこから、小さな種が生まれる。
その種が、人との共同作業により、次第に成長して花開き・・実る・・
シュタイナーがたどったプロセスにこそ、感動を覚えるし、勇気をもらう。
おかげで、私たちは今、シュタイナーが生み出した多くの学びに触れることができている。
シュタイナーの学びは、
コンテンツとして出来上がったものも素晴らしいが
シュタイナー自身が生み出していったメタモルフォーゼのプロセスをこそ、深く学びたいと思う。
それは、生命的な芸術創造そのものだと感じる。
その学びの奥義がまさに、オイリュトミー芸術にはあるのだ。
宇宙を創造した「根源のコトバ」を、物質の宿す身体芸術。
目に見えない生命形成力や創造の力を、自らのうちに感じ、
創造してゆく身体運動芸術をこそ、
私は伝えたいと思う。
▼那須・奏身舎website
▼第4期おひさまの丘宮城シュタイナー学園 教員養成講座
https://www.ohisamanooka-steiner.or.jp/kyouin-yousei
出典:「オイリュトミー芸術」イザラ書房 高橋巖訳
魂のこよみ48週「この光線の力を結集して人の心の中に愛を目覚めさせよう」
【オイリュトミー体験受付中♪】
那須・奏身舎の オイリュトミークラス
・大人クラス(入門者から経験者まで)
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出張レッスンも相談可。
▼水曜クラス 月2回 第2・4水曜 13時〜15時
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▼日曜クラス 月1回
基礎:10時〜12時 応用:13時〜15時
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▼宇都宮オイリュトミークラス「ひばりの会」
日時:月1回 月曜日
基礎: 9時半~11時半 応用 : 12時半~14時
会場: 宇都宮市 河内地区市民センター (宇都宮線岡本駅付近) お問合 : hibari_no_kai@yahoo.co.jp
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▼子どもクラス
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・小中学生クラス
〈親子で学ぶ〉 那須シュタイナー自然学校
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✴︎体験講座参加者募集中!
🌟現在、那須・奏身舎以外に、東京、宇都宮、福島、仙台でも定期的に教えています。
また、出張講座もできますので、お声がけください。
魂のこよみ46週「世間が生来の魂の力を麻痺させる・・・だから思い出よ、光輝け」
自分の身体を使って、背骨で五芒星を空間上に描くのは、紙の上に描くのと違ってそう容易くない。
難しいのに敢えてやるのは、なぜだろう?
自分を観る「もう一人の自分」を育てるため。
◉離見の見・・・「もう一人のわたし」を育てる
それを世阿弥は「離見の見」と云った。
日常的なわたしとは異なる「もう一人のわたし」。
その「ほんとうのわたし」が、「ちっぽけなわたし」を導いてくれる。
そのような存在を
シュタイナーは[Das Ich]、と呼び、
日本語では
「自我」「ほんとうの自分」「ほんとうのわたし」と訳されている。
わたしの魂をいつの間にか消耗させ、ぐったりと疲れさせてしまう。
魂はあたかも麻痺してしまったかのように力が出なくなってしまう・・・。
本来の自分、ほんとうの自分がなんであるかを、思い起こそう!
死んでしまった白雪姫がガラスの棺に納められたあと、
七人の小人たちが、輝く金の文字で棺に書き記すのだ。
「お姫さま」と。
「観る」行為を強めよ。
ほんとうのわたし「自我」は
内なる世界も、外なる世界もしっかり観ることができるよ!
自我「ほんとうのわたし」は、内なる感情世界と外なる客観世界「二つの世界」の架け橋なのだから。
*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
🌟プレ講座でも「白雪姫」をやります。
▼第4期おひさまの丘宮城シュタイナー学園教員養成講座のお知らせ
https://www.ohisamanooka-steiner.or.jp/post/第4回おひさまの丘宮城シュタイナー学園教員養成講座のお知らせ
魂のこよみ44週「新たな感覚の刺激を受け明るく澄んだ魂は・・」
👹節分から立春へ
節を分ける、と書くように、節分は季節の始まりの日の前日です。
季節は冬から春へと移ろい、厳しい寒さの中にも春の光を感じます。
Rebirth / 木彫:渋谷智栄子
◉「明るく澄んだ魂」は
「誕生」を想い出す
✨光の質が変わり、私たちの感覚も春めいた新たな刺激を外から受けとると、内なる魂はより明るく澄んでくるようです。
そうした時に、ふと思い起こすのです。
かつての「誕生」を。
なんのために生まれ、いま、生きているのか?
この世での任務、自分に与えられたミッションがなんだったのか、
いま一度、振り返ろうとします。
⭐️肉体の誕生は、この地球で母の胎内から生まれ出た時。
肉体という衣をまといます。
🌟霊の誕生は、肉体の衣を脱ぎ捨て、光の衣をまとう時。
すなわち、「死」を迎え、天へと旅立つとき。
それは人生の総決算でもあり、私たちが生きている間、抱いた様々な思い、思考内容が
死の瞬間に全て解放され、新たな「生」に向けて、蝶のように飛び立つといいます。
🦋片山敏彦は「霊の蝶は飛び立つ」という詩で、その瞬間を美しく表現しています。
霊の蝶は飛び立つ。
神の光の中へ
天體は
明るい顔をしている。
永遠の今
美は、神からの
なぐさめ
片山敏彦「遺稿集」より
かつて「オールソウルズディ」という催しを2015年、2019年、2020年、
那須と仙台で開催しました。
オールソウルズデイ仙台2/22 では、片山敏彦「霊の蝶は飛び立つ・・」を、私がオイリュトミーで動き、ブラームスの「インテルメッツォ」に繋げました。
◉見えない世界を
頭・心・体で動く
✨オイリュトミーには、こうした目に見えない世界を、生身の体で動くことで、
絵空事ではなく、現実にあるものとして実感したり、心でイメージ化することを助けてくれる役割があります。
3次元空間で動く、というのは、心身にリアルな実感をもたらしてくれます。(バーチャルな世界とは真逆ですね)
しかも、『思考・意志・感情』ー人間の魂の力すべてを使うので、自分を支える中心の力が、活性化されるんですね。3点セットで用いることで、
頭でっかちになったり、
意志が暴走したり、
感情に耽溺したりせず、
一つのことに偏らず、バランス良く、大きな調和がもたらされることもオイリュトミーの持つ大きな特徴と言えるでしょう。
◉「混沌とした宇宙生成」をカタチにする
「思考の創造意志」
🌀さて、混沌とした宇宙生成(無限の可能性を秘めた生命の源)の営みに
形(概念)を与えるのは、「思考の働き」
分別という言葉があるように、分ける力のことです。
一人一人の「私」が、
「これまでにない、何かを創りたい!」
「善きものを生み出したい!」と願う「意志の力」を、
無意識レベルから意識にまで高めるときに、
この明るい初春の光は、思考の光とリンクするのでしょうか。
盲目的な意志は、思考によって、明確な目標となるカタチが与えられ、
人生を導くものになるのでしょうか?
そうあってほしいと切に願います❣️
以下の「魂の暦」44週は、イザラ版とちくま文庫の高橋巌先生の訳を、
オイリュトミーをするのに私が一部分変えたものです。
💎シュタイナー「魂の暦」 44週
▼オールソウルズデイ仙台 /神聖なものとして「死」を体験する
https://ameblo.jp/eurytmie-sousinsya/entry-12577250980.html
▼【オールソウルズデイ那須】「こちらの世界」から「あちらの世界」へ
https://ameblo.jp/eurytmie-sousinsya/entry-12528046379.html








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